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山手国語塾の今年の授業は、各クラス週に一回、火・木・土に行います。一回120分の授業です。55分授業を行い、10分休んで、55分の授業を行う。それで一回分です。ひとクラスのの人数は、普段は8人までで行います。ただし、クラスによっては最大10人までは増えることがありますが、ひとクラス10人を超えることはありません。
時間は、火・木は、16時30分から18時30分までと、19時30分時から21時30分までの一日ふたクラス。土曜日は、13時30分から15時30分までと、16時30分から18時30分まで、19時から21時まで、の三クラスの授業を行います。
小学生・中学生の国語については、4年生以上は学年に関係なく、その子の状況を面接・体験授業で見た上で、曜日と時間を相談、ということになります。ですから、小学生と中学生が同じクラスということもあり得るし、また、4年生と6年生が同じクラスということもあり得ます。あくまで、スタートはその子の現在の国語力が目安です。ただし、その後、学力の伸長の度合いによって、本人との相談の上でクラスを変えることは可能です。
高校生の古文は、古文の基礎力養成クラスと、難関校受験クラスのふたクラスで行い、状況に応じてハイレベルクラスや東大クラスなどを設けていきます。また、浪人の生徒も入塾可能です。ただし、入塾に際してすべてのクラスで面接・体験授業を実施いたします。
体験授業は、面接と合わせて、30分から60分。その間に、山手国語塾の雰囲気を知ってもらいたいのと、私が生徒の状況を把握したいのと、目的はその二つです。面接には、必ず、何らかの学力の目安になるものを持ってきていただきます。最近(3ヶ月以内)のテストでもかまいませんし、模試の成績表と問題でも構いません。それを元に、まずは、ご両親から子供の国語の現状を教えていただきます。
面接によって、どうしても山手国語塾のクラスで授業を受けるのに問題があると思われた生徒は、入塾をお断りすることがあります。周りの子供たちに迷惑をかけることになるのではないか、と思われる、あるいは、余りにも学力が低すぎて、クラスの中に入れそうにない、等の理由で、私がどうしても難しいと思った生徒さんには、申し訳ありません、入塾をお断りすることがあります。
教材は、基本的には、私のオリジナル教材によります。クラスは、基本的に集団授業で行いますが、集団授業に移行する前の段階として、個別対応をするということもありますが、あくまで集団授業が基本ですから、個別対応は、集団授業に入れる基礎力がつくまで、ということになります。ただし、個別対応であっても授業料に変化はありません。
クラスによって違いはありますが、国語の授業の前半の55分は、だいたい、文章を読む時間、漢字を書いて習得する時間、語句を辞書で調べる時間(必ず一冊国語辞典を用意していただきます)、などなど、どちらかというと、口を動かしたり、手を動かしたり、まずは、基本作業を身につける時間にあてることになります。で、後半の55分が考えたり、解いたり、組み合わせたり、つないだり、抜き出したり、まとめたり、作ったり、ということを中心にやる時間です。
国語のクラスの宿題は、基本的には、毎週、1時間かければ必ずできる課題を出します。1時間でできるものですが、けっして簡単には分からない課題です。ある程度続ければ、かなりの効果が期待できるものです。さて、それが、どういうものかは、入塾してからのお楽しみ、ですね。
「抽象」と「具体」という概念が理解できていないと、論理的に文章をたどることは、ほぼ不可能です。ですから、山手国語塾では、国語の授業の最初の取り組みが、「抽象」と「具体」という言葉の理解になります。国語力の大きな柱の一つは、論理をたどる、ということですが、その第一歩は、この言葉の理解することによってはじめて踏み出せるのです。
余談ですが、古典の全体レベルの中の東大の古文の問題の性質と特色と、現代文の全体の中の中学受験のトップレベルの受験校の問題のレベルとその特色とは、本当によく似ています。たとえば、開成中学校や桜蔭中学校、それに栄光学園の問題は、あたかも東大の国語の問題が念頭にあって作られたかのようです。東大の国語の問題がまさにその向こうに透けて見えてくるようなのです。
国語を教える上で、長年古文を教えてきたからこそ分かること、できることもまたあります。現代文を教えているだけではなかなか気づきにくいことが、古文を教えてきたからこそ分かる。そういう気づきの上にある、今までの国語とはかなり違っている山手国語塾の国語を楽しみにして下さい。
国語力とは何でしょう。試験で高得点が取れるだけではいけないのでしょうか。はい、それだけでは不十分だ、と私は答えます。
文章を正しくつかむためには、論理をたどることがキチッとできなければいけない。対比と言い換えをしっかりとつかみ、原因結果の関係をたどっていく。それによってはじめて作者が言わんとしていることが正しくとらえられ、それが国語のテストの点数に直結する。それはその通りです。それなら、国語力とは、論理をたどる力、ということでいいのではないか。いいえ、足りません。
私の大学での専門は、近代文学。特に戦後の文学でしたから、もともとは現代文が専門です。古文は大学を出てから学びました。私が予備校で国語を教えるのに現代文ではなく古文を選び、教えるために古文を修得したのは、「古文は子供たちには宇宙語にみえる」らしいということを聞いたからです。そんなに分からないと言うのなら、分かるように教えてやろうじゃないか。私の古文はそこから本格的にスタートしたのです。そしてそれを今は本当によかった、と思っています。
本居宣長は『源氏物語玉の小櫛』の中で、有名な「もののあわれ」の説を唱えます。『源氏物語』を読むことは、仏教を学び『論語』を読んで、物事の善悪を学ぶこととは違う。『源氏物語』には日本人の心のありようが、最も見事に描き出されている。だから、源氏を読むことは、事に応じて動く、日本人の心の姿の典型を物語を読むことで経験することである。それが宣長の言う、「『もののあわれ』を知る」ことです。人は、人として生まれてきたから人なのではない。人となるべく学んでこその人なのだ。生まれてきただけで、何もしなくても当たり前に備わっている心などというものは無い。誰もが当たり前に動くと考えがちな感情の動きさえ、人は学んで得るものなのだ。宣長はそう言うのです。
人が社会に出て生きていく上で、他人の気持ちが分かる、他人との共感線を豊かに持っているということは、最も大事な能力の一つだと私は思っています。そして、その力をはぐくむのが優れた作者の書いた物語だと宣長は言っているのです。
国語力のもう一つの大事な力。それは、物語を通して「もののあわれ」を知ること。他者を知り、他者の心に共感できる豊かな心、「情感」をはぐくむことです。それを抜きに国語力を語るのは余りにも乾いた味気ない試みだと私は思います。
長年、「本を読めば自然に国語力はつくものだ」、と言われてきました。ところが、ここ数年、「本を読むだけでは国語力はつかない」そんなふうに言っている書物が多くなってきたように思われます。では、いったい、本当のところはどうなのでしょうか。
この二つの全く反対のように見える考え、私は実は両方とも正しくもあり間違ってもいると思っています。たとえば、「本を読めば自然に国語力はつく」という考えについて言うと、そこには、条件が二つ足りません。一つは、本であれば何を読んでも力がつくという訳ではない、ということ。その本を読んで力がつく、読者の感性が磨かれる、そのためには、その文章を書いた作者の力量がとても大事だということです。未熟な作家の書いた物語を読むのと、漱石の書いた短編を読むのとは、全く違う性質のことだと言えるのではありませんか。もう一つの条件、それは本人が自分から望んで読んでいるということ。つまり、本人がおもしろいと思って夢中になって本を読んでいるということ。嫌だな、退屈だな、つらいな、そういう気持ちで読んでも、効果はほとんど期待できないということです。これは、長年、小学校の図書館で、子供たちに本の読み聞かせをしながら、本と子供たちの生育との関係をずっと見守ってきた方々の貴重な経験に基づいた分析によるものです。この分析には、とても深く納得するところがありました。というのは、私もまた、幼い頃、本を読むことが退屈で苦手な子供だったからです。私が初めて本に夢中になったのは、高校生になってからのことだったからです。
国語の得点を取るためには、選択問題にしろ、記述問題にしろ、ごく一部の子供以外は、正解を導くために、実際に設問に当たり、答えに至る道筋をたどる訓練がある程度必要です。ですから、「本を読むだけでは国語力はつかない」という考えは、おおむね正しいということになるのです。自分なりの想像をふくらますことだけでは、なかなか答えにはたどり着けないからです。
「論理をたどり、問題の答えを導く、その訓練さえしっかりやれば、それで十分な国語力は得られるのか。」おそらく、国語のテストの点数はかなり取れるようになるでしょう。もし、国語のテストで高得点を取ることがあなたの目指すゴールなら、それでもいいでしょう。でも、国語の教科書は小説であふれています。それは、小説に寄ってしか、夢中になって物語を読むという経験によってしか得られない、何かあるものが確かにある、と言っているのではありませんか。
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